みなさんは「誰それが入院した」と聞いて、入院期間はどれくらいだと予想しますか?「お見舞い」にはいつ行ったらいいのでしょうか?

「わざわざ入院する」のだから、半年は病院にいる...ような印象でしょうか。ですが、実はこういった印象は20年以上前のものです。

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厚生労働省は病院に対して、患者がどんな入院の仕方をしているかを調査する「患者調査」というものを実施しています( 厚生労働省・平成23年度患者調査 )。最新の調査は2011年のもの(次回は今年2014年に行われます)ですが、これによると心筋梗塞や狭心症など私たちが「心臓病」と考えている病気で、入院日数の平均(平均在院日数)は10日を切っています。1年近く入院する病気となると、精神科の主な病気である統合失調症や認知症が主なもので、リハビリが必要な脳血管障害(いわゆる「脳卒中」です)でも、平均は3カ月ちょうどくらいなのです。

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実は「入院した」と聞いたら、8割の人が1カ月以内に退院しますし、さらにその4分の3は2週間以内に退院しています。

「昔だけど、私のおじいちゃんが亡くなる前、病院に何回も行ったよ。それはなぜ?」

それは、病院の役割がここ20年で大きく変わったからです。昔の病院は、治療をするところであり、介助が必要な人の生活空間でした。しかし、現在は「いわゆる病院」は急性期(医療によって生死を含め、劇的回復が見込める時期)のためのもので、少しの医療的ケアであれば「療養病床」、介助程度でいいのであれば「介護施設など」とどんどん患者を、ケアの上流から下流へ移していく仕組みになっています。

お見舞いに行くなら「早め」ですよ!

(ライター:深田 雄志)