「彫刻」から何を頭に思い浮かべますか?街中にぽつりと立つパブリックアート、美術館に置いてあるようなトルソ…、様々あると思いますが、その彫刻、よく見ていますか?絵画とは異なり、複数からの視点を特徴に持つ彫刻の前を素通りするなんて言語道断!!勿体ないことこの上なしです。ということで今回は彫刻さんについて少しずつ触れていきたいと思います。


まずは、ギリシア期の彫刻。この頃の彫刻は主に人知を超えたような、一般人ではお目にかかることのできない存在を表現する分野の作品が多く見受けられます。



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サモトラケのニケ

 

それから時は流れ、、上記のような擬古典主義的な表現を美とせず、己の内面表現こそが美であるとし、当時の保守的な風潮と戦う芸術家が現れました。その名もミケランジェロです。彼が24の時に作りあげた最高傑作として名高い「ピエタ」はヴァチカンにあるのですが、ミラノにも「ピエタ」があります。これは彼が83.4歳の時の作品です。自身の死期を感じる頃となり、何度も用いているモチーフの表現で心境を終結させたこのピエタはバリバリに活躍をしていた20代の頃のピエタとは明らかに目指しているものが異なります。芸術家として行ってきた業績に疑い、懸念を抱くと同時に力量の衰えに直面するミケランジェロの複雑な思いが伝わる未完の作品です。

 

また、彼と同様に彫刻界の巨匠、オーギュスト・ロダンも自身の心(内なるもの)を表現し続けた作家のひとりです。

ロダンの大作であり遺作でもある、「地獄の門」は、最も重い罪は裏切りとされるダンテの神曲、地獄篇から創作されたものです。風に飛ばされた200以上の亡霊たちは一人一人が生命に執着をしていると言われています。なぜ、彼はこの門を製作したのでしょうか。また、地獄の門から独立して有名になった「考える人」はロダン自身を表しているとも言われますがそれは何故なのでしょうか。…頑張って説明もどきをしてみたいと思います、笑



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考える人

ロダンには愛する人が
2人存在していました。1人はローズという女性で、ロダンと居住し、彼の身の回りのお世話をしたりしながら心に寄り添ってきた妻のような存在の方です。そして、もう1人はカミーユ・クローデル。初めの頃はロダンの若き、そして美しき助手として働きながら自身も創作活動を行い、才能を磨いていました。が、次第に…、深い仲となります。彼女も徐々にロダンに入れこむようになり、彼なしでは生きてはいけない程に愛情を深め、ある時彼の子を妊娠してしまいます。しかし煮え切らないロダンの心はカミーユ、ローズどちらかを選ぶことはできませんでした。実際どちらも自身の創作活動において多大な支えとなっていたからです。大きな心の安らぎを捨てることも、新鮮な創作欲源を捨てることもできないのだ…と、まあ、ロダンが自分の事ばかりを考えているうちに不運にもカミーユは中絶をしてしまいます。そしてロダンとの仲も悪化の一途を進み、彼はローズの元へ隠れるように去ってしまいました。カミーユは度重なる精神的なダメージから作家としても活動が困難になるほどに病んでいきます。しかし残酷にも、それをしり目にロダンは、ローズとの結婚式を挙げちゃうんです。…ローズはこれで本当に幸せになれたのでしょうか、数日後に他界しました。ロダンもローズの後を追うように死ぬことになるのですが、死に際でもカミーユのことを気にしていた様子で、最後の最後までどっち付かずな感じの生涯を貫き通しました。彼の気持ちは非常によく分かるのですが、2人を大切にしたいという気持ちが結果的には2人を傷つけてしまっていますよね…。そんなこんなで地獄の門ができましたとさ。考える人の背中が地獄の入り口であるとされますが、この考える人の横にカミーユの顔、門の右下には年老いたロダンの肖像があります…。少々怖い気もしますね。日本ではありがたいことに東京と静岡の2か所でこの門の鋳造品を見ることが出来ます。複雑な恋愛に悩める方は巨匠の生涯を参考にして自身を顧みるのも良いかと…笑。つづく


画像引用元

「国立西洋美術館」(2014.10.28閲覧)

http://www.nmwa.go.jp/jp/collection/1959-0040.html

 

「サモトラケのニケ ウィキペディア」(2014.10.28閲覧)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%A2%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%B1%E3%81%AE%E3%83%8B%E3%82%B1

 

 

ライター:羽田綾芽