ホスピタルアート ~ 病院×Artプロジェクト ~

「病院に笑顔を」「アーティストに仕事を」をミッションに京都・関西を中心に活動する医療福祉施設のアートキュレーションチーム。


ホスピタルアートなら今の病院を変えることができる


こんにちは、羽田です!

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赤、黄、青のコンポジション

前例を超え、新しいものを構築してきた彫刻界ですが、まだまだ動きは留まりません!!前回触れた「キュビスム」をルーツにまた、新たな芸術家が誕生いたしました。

マレーヴィッチとピエト・モンドリアンの二人です。二人は新造形主義(デ・スティル)という括りの中の芸術至上主義に位置するアーテイストなのですが、まずはマレーヴィッチの紹介から行きたいと思います。一言で言いますと、彼はブラックが恐れていた展開にまんまとはまり、袋小路に入ってしまうような完全抽象を極めることになります。また、感覚というものを絶対視していた面もあり、限定されたものの表現でとどまっているように感じられます。関心のある方は実際に作品を見ていただけるとよくわかると思います。そして、モンドリアンですが、こちらは比較的有名な作家であるためイメージを抱きやすいかもしれませんね。赤、黄、青、黒の垂直線を用いる表現はブロードウェイブギウギというシリーズで完結します。有名なお話ではありますが、モンドリアンは、街の地形を直線で表現していました。オランダ、アムステルダムという街は、人の手によって操作された人工的な街であるといわれるのですが、作品を見ているとそのような様(街の形成)がよくわかります。

また、モンドリアンはマレーヴィッチとは異なり、自然的なものに対しての嫌悪感があり、感覚に惑わされるようなものの存在をよしとしませんでした。この背景には、宗教の中で最も禁欲的とされるオランダのカルバン派の中の規律(自己抑制が一番の自由である)なども影響していると思われます。このように価値観の異なる二人でしたが、最終的な成果物は同じようなものを生み出したようです。そこもまた面白い点ですね。

…まだまだ本当に多くの重要な彫刻家さん達はいらっしゃるのですが、きりがないので最後に、私が好きな彫刻家の紹介で終わりたいと思います。すみません。

本質を求める芸術家、アルベルト・ジャコメッティーです。


自然豊かな地で育ったという背景もあり、生の本質に切迫をするような極度の無秩序表現が特徴です。また、彼の生きた時代は、人々を幸福にするための技術革新に対する未来信仰が第二次世界大戦によって破壊され、死んでしまった人を羨むような風潮が蔓延していた頃です。このような中で人間としてのやり直しをいかにしていくかということが大きな課題の一つでもありました。自身の判断で選択をし、責任を負い、かつ肯定的に生きる中でも常に「死」を意識する人間という生き物はかけがえのない存在でありますが、同時に過酷な存在でもあります。

また、物は何かの存在目的があるが、人間にはない(自由)ということで、この自由の責任として肯定的な未来が作れるという実存主義の中に彼は居ました。

画家でもあり、彫刻家でもあった彼が乗り越えた壁は、作品と鑑賞者の空間距離の問題です。絵画は錯覚という技法でこの問題を解決しているのですが、彫刻では表現ができません。つまり近づけば近づくほどに見えるものがあるものがあるが、遠くなるものがあるということ。遠くにいても、近くで見れば大きく見えるという精神的な本質の追及です。…非常に厄介な人物なのですが知れば知るほどに深く面白味のある芸術家であると思います。芸術家がになう大きな苦労、苦悩に触れてみるのもよいかもしれませんね。彼のよき理解者の一人に哲学者である矢内原伊作という人物がおります。彼はしばしばジャコメッティーのモデルとしても登場します。精神的な話が多くなってしまいますが、矢内原の著作や、戦後、壊れた人間を、哲学を持って取り戻そうとした実存主義者のサルトルが著した『ジャコメッティー論』もジャコメッティーの思想を理解していくうえで非常に役立つ資料です。

画像引用元

 「ピエト・モンドリアン-アンサイクロペディア」(2014.11.15 閲覧)

http://ja.uncyclopedia.info/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:%E8%B5%A4%E3%80%81%E9%BB%84%E3%80%81%E9%9D%92%E3%81%AE%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%9D%E3%82%B8%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3.jpg

 


「水平線と月を計ろう」(2014.11.15 閲覧)

http://blog.livedoor.jp/kanji_m/archives/50400490.html

 
ライター:羽田綾芽


私たち病院×Artプロジェクトは、ホスピタルアートを取り入れることで患者さんの療養環境の改善を目標に活動しています。ホスピタルアート活動に興味を持たれた方、一緒に患者さんの環境をアートで改善してみませんか?インターンシップ生募集中です!
【URL】
Facebook 
https://www.facebook.com/hospitalart
Twitter  https://twitter.com/hospitalart
インターンシップの応募はこちらへ。 http://patient.sakura.ne.jp/recruit/form_intern

 

ホスピタルアートなら今の病院を変えることができる
みなさん、ヨーロッパ旅行で大聖堂や寺院めぐりをした方はいらっしゃいますか?
多くの大聖堂や寺院をまわってみると、中には聖母子像や歴史を感じる柱(ギリシャではイオニア式、コリント式、ドーリア式)などがありますよね。また、そこには美しいステンドグラスがあり、多くの観光客は讃美歌を聞きながらうっとり眺めています。私自身、ヨーロッパ旅行に出向いた際、様々な寺院のステンドグラスを見てきて、光の美しさに魅了されてしまいました。その中でもスペインの「サグラダファミリア」のステンドグラスがお気に入りでした!

そこで、このような素敵なものが病院にあったらいいのになって思った方はいませんか?
実はステンドグラスがある病院がなんと“日本”にあったんですよ!

①雪の聖母聖堂(社会医療法人 雪の聖母会 聖マリア病院)
病院のステンドグラス

【参考URL】雪の聖母聖堂(社会医療法人 雪の聖母会 聖マリア病院)
http://www.pauline.or.jp/visitingchurches/201109_yukinoseibo.php

実はこのステンドグラス、病院の受付ホールにあるんです!このステンドグラスを眺めながら、受付の順番が自分まで来るのを待っていられそうな気がしませんか?もしかしたら自分の名前が呼ばれているのを気づかないかもしれませんね(笑)

②倉敷中央病院「木漏れ日からの発想」
倉敷

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【参考URL】倉敷中央病院 http://www.kchnet.or.jp/about_us/sanpo23.aspx

こちらの病院では、患者さんが快適に過ごせるように様々な施設が完備されています。
病院の創設者である大原孫三郎さんは「病院くさくない明るい病院」を目指しており、他にも温室や庭園などもあります。ステンドグラスの「木漏れ日からの発想」は、夏に木の下で休憩しているときに空を見上げようとした瞬間を想像しますね。木の葉っぱと葉っぱの間から漏れてくる太陽の光をステンドグラスを使うことによって、病院内で再現しているのは驚きです!また、こちらの病院では絵画も飾ってるんだとか…もっとこのような病院を日本中に広めたいですね。

③金沢美術工芸大学×金沢市立病院「ホスピタリティアート・プロジェクト」(2010)
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【参考URL】病院の窓をステンドグラス風に-地元美大生らがアートで貢献
http://kanazawa.keizai.biz/headline/photo/1099/

ちょうど4年前の企画で行われたものです。ステンドグラスではありませんが綺麗ですよね?
こちらの企画は患者さんの生活環境を改善するための取り組みとして行われたそうです。私たち病院×Artプロジェクトと同じような考えを持ち、ホスピタルアートに取り組んでいた結果を見ると、私たちも負けてはいられないですね!

以上、3つの病院を紹介しましたがいかがでしたでしょうか?日本以外にも、スペインの「サン・パウ病院」、イスラエルの「国立ハダサ病院」にも美しいステンドグラスがあります。興味のある方はせひ旅行中に立ち寄ってみてください。
このように、光のアートともいえるステンドグラスを病院に広めることで、患者さんの生活にも彩りの光を照らしていけるといいですね。

(ライター:佐野真奈美)

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ホスピタルアートなら今の病院を変えることができる。


前回に引き続き彫刻の歴史をたどっていきたいと思います。先週も紹介した
3次元の世界である彫刻に2次元的なコラージュを施したロダンの「地獄の門」という超大作ですが、この作品の出現により、さらに構成的な芸術の概念がいくつも生まれたのです。

その中の一つに「未来派」というグループがあります。未来派はこれまでの3次元作品とは異なり、様々な素材を用いて芸術表現活動を行うといった宣言をし、主にスピード、運動、時間の表現探究をしていたのですが、この頃は第一次世界大戦と連動していたこともあり、作品がそれほど多く残っていません。また、彼らの素晴らしい成果物たちはしばしば政治的プロパガンダとして利用をされていました。

未来派の代表的人物として、ウンベルト・ボッチョーニが挙げられます。画家でもあり、彫刻家でもあった彼はしばしばメンバーの中で最も才能があったと言われるのですが、惜しくも戦死のため若くしてこの世を去ります。代表作は伝統的な素材、手法を用いて歩みの表現をした彫刻と、瓶の展開図があります。対象物の構造を把握するためには、そのものを開け広げ、外の空間と内部の空間の風通しを良くする必要があると考え、独特の螺旋表現を生み出しました。

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…このことを知らずに作品だけをパッと見ただけでは訳が分からないですが、そうだと分かるとじっくり鑑賞が出来て面白いですよね
(*^^*)

同様に、未来派のジャコモ・バッラは「縄でひかれた犬のダイナミズム」という作品を残しています。


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…いかがですか?どこかコミカルな感じがして可愛らしささえ感じるのですが、これは犬の歩行運動の時間経過を表現しているのですが、マンガにもよくある描写でありますね。

以上、未来派のポイントは①対象物自体が動く。②作る人、見る人は動かない。③時間表現の在り方を探る。の三点に集約されると思います。

また、この未来派とは別にロダンの影響を受けたのが「キュビスム」です。キュビスムは、フランスのジョルジュ・ブラック(1882-1963)とスペインのパブロ・ピカソ(1881-1973)2人が1970年から14年間パリで共に切磋琢磨しあいながら作り上げてきたジャンルとも言えます。大体の流れは、まず先にブラックが新しい試みを仕掛けて、それをピカソが進化させる形での発展です。キュビスムの大きなポイントを挙げるとするならば①対象物は動かず、作り手側の眼差しが動く②見えない面まで描き込む表現(対象物のより正確な把握)の二点だと思います。他にも遠近法、明暗法の破壊により絵画と彫刻の世界を曖昧化したことなど功績は数多く存在しますが。キュビスムは非常に複雑で、ロダンの影響ももちろんなのですが、本当の出発点はポール・セザンヌにあります。

アンリ・マティスも重要視していた作品である『水浴』から奥行の重要性を理解し、ピカソは『アヴィニョンの娘たち』を発表しました。セザンヌの表現は、自然を前にするが自然そのものが示されるのではなく自身の中でより良い形を取捨選択したものを構築するという手法をとるものです。これと同様の考え方で、一度対象を分解してから様々な面から見たものを構成するという、目ではなく頭で見るという考え方の分析的キュビスムというキュビスムがまず初めに存在します。(少々彫刻と話がずれてしまいますがお許しください…)

そしてこの考えに一歩踏み込んだブラックは、平らな物の上に楽譜や新聞、チラシといったものを貼り、線を描くパピエ・コレというものを考案しました。

このように身近な素材を用いることで、素材そのものの階層を解消していきます。これを受けピカソは、曖昧な見え方をする貼り込まれたパピエ・コレのコラージュの中でもギターをモチーフにした作品を多く発表していきました。彼の作り出した紙の彫刻のギターは絵画ではないがペインティングがなされています。

これは彫刻にしては非常に正面性が強く、オブジェとも言えないため、分類をすることができなませんが…。そしてさらにピカソは『アプサントのグラス』という作品で日用品のスプーンを作品に取り込むことに成功をしました。


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この彫刻も着色が施されており、絵画的ともいえるものになっています。このようにしてキュビスムは、粘土などの限られた素材を用いてカーヴィングをするかモデリングをするといった形を取っていた従来の彫刻スタイルに終わりを告げ、素材に拘らず、また彫像でも塑像でもない彫刻を生み出すきっかけを作り出すと同時に、絵画と彫刻の世界を曖昧なものにしました。

それだけではなくピカソは鉄の溶接技術をも学び、空間の中に絵を描くような線の造形物を生み出したりもしました。線の表現についてはピエト・モンドリアンや分析的キュビスムをさらに深めたマレーヴィッチにも関わってきます。

加えてピカソとブラックが生み出した壁の曲がり角の空間を用いる彫刻は構成主義に非常に強いインスパイアを与えました。この形の作品は対象とそれを取り巻く空間環境の大きな変化であり、後の究極の時間表現ともいえるロドチェンコのハンギングコンストラクションにも繋がるものです。さらに、フランスのローランスはキュビスムの絵画の三次元版の表現をし、紙のギター彫刻のような曖昧なジャンルの作品制作をしています。

…とまあ、あげたら本当にきりが無いくらいの後継者を生み出したキュビスムは本当に西洋彫刻に大きなものをもたらしたことが分かりますね。

しかしまだまだ彫刻界の進化は止まらないので次回も彫刻物語、続きます…。(若干の疲労感が、笑。)
頑張っていきたいと思いますのでどうかお付き合いの程よろしくお願いたします。



画像引用元

development of a bottle in space

http://en.wikipedia.org/wiki/Development_of_a_Bottle_in_Space (2014.11.05閲覧)

「老兵は黙って去りゆくのみ」

http://d.hatena.ne.jp/cool-hira/20140131/1391116042 (2014.11.05閲覧)

「現代美術関連サイト」

http://kousin242.sakura.ne.jp/arakawaoki/eee/%E8%8A%B8%E8%A1%93%E8%AB%96/%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%93%E3%82%B9%E3%83%A0/%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%93%E3%82%B9%E3%83%A0%E3%81%AE%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E5%B1%95%E9%96%8B/283-2/ (2014.11.05閲覧)





ライター:羽田綾芽



 


 


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ホスピタルアートなら今の病院を変えることができる。

こんにちは!

今週の投稿記事のおすすめランキングを紹介します。

1.妊婦さんの味方!陣痛タクシーとは?
陣痛タクシーをご存じですか?
妊婦さんにとってどのようなものなのでしょうか?

2.ホスピタルアートってそもそも何なのさ
みなさん、そもそもホスピタルアートがどんなものなのかわかりますか?
ホスピタルアートについて知りたい方はこちらの記事をおすすめします。

3.ヒーリング・アートを学べる女子美術大学
ホスピタルアートではありませんが、ヒーリング・アートを大学で学ぶことができることに私もびっくり。
医療とアートを交えた学問を学んでみませんか?
eyecatch
こちらは学生の作品です。詳細は下のURLへ。
http://www.joshibi-healing.net/student_works/index.php


また来週の新着記事もお楽しみに。

ちなみに来週の活動はこちら。インターン生募集の説明会を開催します!
興味のある方はぜひ申し込みください。

☆病院×Artプロジェクト~説明会~☆
【日程】11月5日(水)18時30分~20時ごろ(別日で個別に対応可能です!)
【場所】518桃李庵(同志社大学新町キャンパス付近)
〒602-0065 京都府 京都市上京区東小川通寺之内下ル 518桃李庵 日本患者学会内
【対象】病院環境やアートに興味のある方、大募集!
【申し込みフォームはこちら】http://urx.nu/cJ25


ライター:佐野真奈美

ホスピタルアートなら今の病院を変えることができる。

「インターンシップ説明会とはなんぞや?」と思われた方...!
病院×Artプロジェクトは、来る11月5日にインターンシップ生募集のための説明会を行います。

サークルにまだ入っていない大学1回生の方、
今からでもなにか活動を始めてみたい大学2回生の方、
社会人の方も大歓迎です!!!
気になることは説明会でお話しします!!!
詳細はこちらのとおりです。

☆病院×Artプロジェクト~説明会~☆
【日程】11月5日(水)18時30分~20時ごろ(別日で個別に対応可能です!)
【場所】518桃李庵(同志社大学新町キャンパス付近)
〒602-0065 京都府 京都市上京区東小川通寺之内下ル 518桃李庵 日本患者学会内
【対象】病院環境やアートに興味のある方、大募集!
【申し込みフォームはこちら】http://urx.nu/cJ25

今からでも間に合います!興味のある方、やってみたい方、ぜひぜひ連絡ください。
応募もまだできますよ!

ご不明な点・ご要望などございましたら
お気軽に【学生代表 上森(sayo@art-hospital.com)】までご連絡ください。
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「彫刻」から何を頭に思い浮かべますか?街中にぽつりと立つパブリックアート、美術館に置いてあるようなトルソ…、様々あると思いますが、その彫刻、よく見ていますか?絵画とは異なり、複数からの視点を特徴に持つ彫刻の前を素通りするなんて言語道断!!勿体ないことこの上なしです。ということで今回は彫刻さんについて少しずつ触れていきたいと思います。


まずは、ギリシア期の彫刻。この頃の彫刻は主に人知を超えたような、一般人ではお目にかかることのできない存在を表現する分野の作品が多く見受けられます。



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サモトラケのニケ

 

それから時は流れ、、上記のような擬古典主義的な表現を美とせず、己の内面表現こそが美であるとし、当時の保守的な風潮と戦う芸術家が現れました。その名もミケランジェロです。彼が24の時に作りあげた最高傑作として名高い「ピエタ」はヴァチカンにあるのですが、ミラノにも「ピエタ」があります。これは彼が83.4歳の時の作品です。自身の死期を感じる頃となり、何度も用いているモチーフの表現で心境を終結させたこのピエタはバリバリに活躍をしていた20代の頃のピエタとは明らかに目指しているものが異なります。芸術家として行ってきた業績に疑い、懸念を抱くと同時に力量の衰えに直面するミケランジェロの複雑な思いが伝わる未完の作品です。

 

また、彼と同様に彫刻界の巨匠、オーギュスト・ロダンも自身の心(内なるもの)を表現し続けた作家のひとりです。

ロダンの大作であり遺作でもある、「地獄の門」は、最も重い罪は裏切りとされるダンテの神曲、地獄篇から創作されたものです。風に飛ばされた200以上の亡霊たちは一人一人が生命に執着をしていると言われています。なぜ、彼はこの門を製作したのでしょうか。また、地獄の門から独立して有名になった「考える人」はロダン自身を表しているとも言われますがそれは何故なのでしょうか。…頑張って説明もどきをしてみたいと思います、笑



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考える人

ロダンには愛する人が
2人存在していました。1人はローズという女性で、ロダンと居住し、彼の身の回りのお世話をしたりしながら心に寄り添ってきた妻のような存在の方です。そして、もう1人はカミーユ・クローデル。初めの頃はロダンの若き、そして美しき助手として働きながら自身も創作活動を行い、才能を磨いていました。が、次第に…、深い仲となります。彼女も徐々にロダンに入れこむようになり、彼なしでは生きてはいけない程に愛情を深め、ある時彼の子を妊娠してしまいます。しかし煮え切らないロダンの心はカミーユ、ローズどちらかを選ぶことはできませんでした。実際どちらも自身の創作活動において多大な支えとなっていたからです。大きな心の安らぎを捨てることも、新鮮な創作欲源を捨てることもできないのだ…と、まあ、ロダンが自分の事ばかりを考えているうちに不運にもカミーユは中絶をしてしまいます。そしてロダンとの仲も悪化の一途を進み、彼はローズの元へ隠れるように去ってしまいました。カミーユは度重なる精神的なダメージから作家としても活動が困難になるほどに病んでいきます。しかし残酷にも、それをしり目にロダンは、ローズとの結婚式を挙げちゃうんです。…ローズはこれで本当に幸せになれたのでしょうか、数日後に他界しました。ロダンもローズの後を追うように死ぬことになるのですが、死に際でもカミーユのことを気にしていた様子で、最後の最後までどっち付かずな感じの生涯を貫き通しました。彼の気持ちは非常によく分かるのですが、2人を大切にしたいという気持ちが結果的には2人を傷つけてしまっていますよね…。そんなこんなで地獄の門ができましたとさ。考える人の背中が地獄の入り口であるとされますが、この考える人の横にカミーユの顔、門の右下には年老いたロダンの肖像があります…。少々怖い気もしますね。日本ではありがたいことに東京と静岡の2か所でこの門の鋳造品を見ることが出来ます。複雑な恋愛に悩める方は巨匠の生涯を参考にして自身を顧みるのも良いかと…笑。つづく


画像引用元

「国立西洋美術館」(2014.10.28閲覧)

http://www.nmwa.go.jp/jp/collection/1959-0040.html

 

「サモトラケのニケ ウィキペディア」(2014.10.28閲覧)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%A2%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%B1%E3%81%AE%E3%83%8B%E3%82%B1

 

 

ライター:羽田綾芽


 

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実は、病院×Artプロジェクトは来月、インターンシップ生募集のための説明会を行います。

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今からでも間に合います!興味のある方、やってみたい方、ぜひぜひ連絡ください。
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ホスピタルアートなら今の病院を変えることができる。

こんにちは!

秋から冬にかけてヨーロッパ旅行へ行かれる方、いらっしゃいますか?
この時期にはどのツアーの旅行代金も比較的に安くなっていてお得ですよ!

ここで、海外旅行でスペインに行かれる方におすすめの観光地を紹介したいと思います。


『サン・パウ病院』(Hospital de Sant Pau)


サン・パウ
(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:20061225-Barcelona_Hospital_de_la_Santa_Creu_i_Sant_Pau_MQ.jpg)


この写真は、スペインのバルセロナにある『サン・パウ病院』です。

この病院の設計者は、あの有名なサグラダファミリアを手掛けたガウディではなく、
そのライバルであったルイス・ドメネク・イ・モンタネールという男です。

バルセロナの裕福な製本業者の家で育った彼は、マドリッドの建築学校で学びました。
その後、バルセロナに戻って、建築家として働き始め、多くの有名な建築物を残しました。
その中でも代表的なのが、この『サン・パウ病院』です。

ちなみに、ガウディとは建築学校の教師と生徒といった関係でした。

この病院の特徴は、曲線と直線の融合と華麗な装飾のモデルニスモ建築です。

しかし、この病院の特徴はこれだけではありません。
この病院には約15万㎡の広大な土地の中に23個もの病棟が並んでいます。
これら23個の病棟間の距離はどこも30m感覚で配置されています。
なぜこのような設計になっているのでしょうか?

それは、ドメネクが患者に病室の圧迫感を与えないようにと配慮した設計をしたからです。
この設計により、病院内にも明るい日差しが入り込み、患者さんの気分も明るくしてくれます。

これこそ、まさに閉塞的な空間になりがちな病室の患者さんを意識した「患者を癒す建築」
スペインに訪れる際には、このドメネクの作り上げた建築物、『サン・パウ病院』にぜひ行ってみてはいかがですか?


ライター:佐野 真奈美

☆病院×Artプロジェクト~説明会~☆
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ホスピタルアートなら今の病院を変えることができる。


こんにちは

このブログを通して幾つものホスピタルアートを紹介していると思います。

しかし、そもそもなぜ「治療」を目的としている訳ではない「芸術」を治療に用いるのでしょうか。

そのような事を考え始めるとなかなか頭が痛くなるのですが()少しだけ考えてみました。

また皆様はどのような考えを持って芸術を用いようとしているのでしょうか。色々な意見を聞いてみたいです…。

まず、私が芸術療法といったときに頭に浮かびやすい単語は「音楽療法」です。その音楽療法士を目指すためには、2つの道があり、一つ目が日本音楽療法学会認定音楽療法士資格受験認定校で必要な知識などを身につける方法です。そしてもう一つ目に日本音楽療法学会の主催する資格試験受験のための制度への参加をする方法があります。

…非常に大変そうですね。また、音楽に限らず、大きな括りでの「芸術療法士」という資格認定制度が存在していることをご存知でしょうか。こちらは日本芸術療法学会が平成16年度より開始した制度です。同様にこの場合も学会の主催するセミナーに参加をすることが認定の上で必要となるそうです。

ちなみにこの日本芸術療法学会はフランスを本部に置く国際表現精神病理学会の日本支部に当たるものです。

私は医療に関しての知識が無いので何ともいえませんが、これを初めとして、芸術を用いて人々に活力を与えるために奮闘している組織は幾つも存在することからも芸術は、人に何らかの作用を与えることが可能なのでしょう。

ここで精神科医でもあり、表現・創造・芸術および治療の国立研究所の所長である、ジャン=ピエール・クラインが定義する芸術療法を紹介したいと思います。

「芸術療法とは(心理的、身体的、社会的あるいは実存的な)障害を持つ人々の芸術的作品(造形、音楽、演劇、文学、ダンス)創作過程に寄り添うことである。この繊細な作業は人間の傷つきやすさを素材とし、でき上がった作品から無意識的な意味を読解することよりも、一つの創造から別な創造へと象徴的な展開を通して、自分自身の創りなおしを図ろうとするものである。芸術療法は自己を投影した謎に満ちた作品の芸術であり、自己を調べるように作品を調査する技術でもある。」

…。長いですね。しかしこのように一言で言い表すことが難しい所が、芸術の奥深く複雑な特徴でもあると感じます。

彼の定義からすると、芸術療法としてのアートは鑑賞して癒される形のものではないようですね。

しかしホスピタルアートとなると、鑑賞するタイプのものが多いように感じます。…となると、ホスピタルアートにも何らかの定義が欲しくなってくるところです。定義とまではいきませんが銅版画家でホスピタルアートに関わる仕事に幾つくか携わっている山本容子さんが、独立行政法人労働者健康福祉機構中部ろうさい病院名誉院長である堀田饒さん、産婦人科医の樋口隆造さんと対談をしている内容が書かれた本の中で仰っていることを引用したいと思います。

「アート・イン・ホスピタルは、バックグラウンドミュージックのようなものなんです。聞き流してもいい。いえ、聞き流せるようなものが、望ましいのです。かといって、なんでも良いというわけではありません。ある程度の水準を満たしている音楽でないと、良いBGMにはなりませんから。クラシック音楽やビートルズの曲は心地よいBGMになりますけれど、向いていない音楽もありますよね?アートも同じです。スタイルのある画家が、自らのエゴを消し、空間全体を考え、この場所に求められているコンセプトを表現するために専門家としての技術を駆使する。公共のために匿名で描くからこそ、それはパブリック・アートになる。素晴らしいホスピタル・アートになると思うんです。」

と、作家目線のホスピタルアートに関する思いが綴られています。

私の個人的な意見としては、何を持って「癒される」のかは鑑賞者の主観的な判断が下すものであるため、施設に芸術的趣向を凝らすことに対する活動は何とも言えないところだと思います。しかし、日本でも着実にホスピタルアートに対する関心が寄せられていることは悪くない動きですよね。




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こちらが山本さんの作品の一部です。具体的対象物である「人」の絵を描くことは、果たしてどうなのでしょうかね??しかし非常に柔らかな作品であると思います。


…なんだかいつも以上に訳が分からない内容になってしまいましたが、今回はこの辺で。





【参考】
ジャン=ピエール・クライン『芸術療法入門』阿部惠一郎、高江洲義英訳、白水社、2004

山本容子『Art in Hospital――スウェーデンを旅して――』講談社、2013


「銅版画家山本容子さんと和医大樋口隆造准教授」

http://blog.shuheikishimoto.jp/archives/54416612.html (2014.10.22閲覧)

 



ライター:羽田綾芽



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【日程】11月5日(水)18時30分~20時ごろ(別日で個別に対応可能です!)
【場所】518桃李庵(同志社大学新町キャンパス付近)
〒602-0065 京都府 京都市上京区東小川通寺之内下ル 518桃李庵 日本患者学会内
【対象】病院環境やアートに興味のある方、大募集!
【申し込みフォームはこちら】http://urx.nu/cJ25

ご不明な点・ご要望などございましたら
お気軽に【学生代表 上森(sayo@art-hospital.com)】までご連絡ください。


 

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とうとう来月の説明会まで1ヵ月をきってしまいました。

「説明会とはなんぞや?」と思われた方...!
実は、病院×Artプロジェクトは来月、インターンシップ生募集のための説明会を行います。...

☆病院×Artプロジェクト~説明会~☆
(*詳しくは添付画像もご覧下さい)
【日程】11月5日(水)18時30分~20時ごろ(別日で個別に対応可能です!)
【場所】518桃李庵(同志社大学新町キャンパス付近)
〒602-0065 京都府 京都市上京区東小川通寺之内下ル 518桃李庵 日本患者学会内
【対象】病院環境やアートに興味のある方、大募集!
【申し込みフォームはこちら】http://urx.nu/cJ25

ご不明な点・ご要望などございましたら
お気軽に【学生代表 上森(sayo@art-hospital.com)】までご連絡ください。

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